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クリエイターインタビュー|高平 大輔さん(中編)

企業広告をベースに、自然・アート・復興からドキュメンタリーまで幅広いプロジェクトに関わってきた映像ディレクター。現在はフリーランスで活躍されている高平大輔(たかひら だいすけ)さんにお話を伺いました。

映像ディレクターとしての仕事の流れを教えてください。

企画段階であれば一日中デスクにいて、企画したりコピー書いたり、紙や言葉ベースだったものを形にしていきます。次に、それを実現するためのスタッフィングや段取りを考えて、下見に行ったりします。そんな流れを昼夜問わず、休みを問わず、やっていく感じですね。それが複数重なると、映像の編集しながら企画を書いたりもします。代理店に行って仕事をして、打合せが終わったらそのまま職人さんのところに行ってこけしを見たりとか、その後、山に行って渡り鳥を撮りに行くみたいな。本当、いろんなことがありました。

「光に出会う旅 宮城」

映像はチームで撮るのですか?

今だと、音とかも全部一人でつくる方もいると思うんですけれど、僕は細分化されているスタイルが好きなんです。監督がいて編集がいて、カメラマンがいるとか、そういう方が面白いです。最終的に責任持つのは自分かなと思うんですが、いろんな人とやるのは楽しいですね。

あと、僕は客観できる状況にしておきたいんです。ファインダーをずっと見てると、ファインダーしか見えなくなる瞬間があって、特にドキュメンタリーだと、実は本当に面白いのはカメラの後ろ側で起きていることだったりします。カメラの後ろですごくいい表情をしている人がいたら、そっちを撮った方がリアルな場合もあります。

インプットの部分で普段意識していることはありますか。

前は映画とか、人より多くみていたと思いますけど、今はそんなに普通の方々と変わりない気がします。YouTubeとか、WEBの映像とか、普通の感覚を持つことって重要だと思っていて、テレビもみますし、マンガも読むし、その程度ですね。

これまでにうれしかった反響などはありますか?

分かりやすい例で言うと、ワケルくんですね。登場してから3年間で飛躍的にゴミが減ったんです。今までもいろんな賞をもらいましたけど、「<仙台市・市民意識調査>施策満足度 第1位」になったことが僕の中で一番嬉しかったです。おじいちゃん、おばあちゃん、子どもも認めてくれて、認知してくれたというのが嬉しかったですね。

認めてもらうということが、やりがいを感じる部分ですか?

一番は、自分が作った映像で売り上げが上がったり、課題を解決できるってことがやりがいですね。さらに言うと、数字だけ見てるわけじゃなくて、自分の子供が通っていた幼稚園で先生がワケルくんの手作りのPOPつくってくれていたりとかすると嬉しいです。あと、「手とてとテ」で鳴子の「こけしの岡仁さん」の映像を撮ったんですがその映像が1年後くらいに、Vimeoのスタッフピックアップに選ばれました。WIREDなど海外メディアにピックアップされて記事が紹介されたりして、今は200万くらいのビュー数がありますね。

鳴子系こけし/こけしの岡仁

様々なところで紹介されたことで反響も大きかったんじゃないですか?

岡仁さんのところに世界中から問い合わせがあったり、海外からわざわざ来ていただいたりとか、日本の友人を介して買いに来てくれたりとかいろんな話を聞いています。その映像を見た、アメリカの俳優がツイッターにあげてくれて、「素晴らしい」って言ってくれたりもありました。

聞いたことがあるような話ですね。

はい。PPAPみたいな話ですね。(笑)。
WOWの鹿野さんが、20年前に「ローカルからグローバルへ」と言っていて、当時はネットも脆弱だったし、私にはぴんとこなかったんですが、自分も気づけば、そういう気持ちになっていました。こけし職人の岡仁さんに会いに行って、職人さんの技術を目の当たりにして、その感動をそのまま映像で伝えたら大きなレスポンスがあった。最初から狙ったっていうのより、自分が好きなものを伝えたいっていう気持ちだけで伝えたこと、僕は言葉を排除しているところが多いのですが、映像でしかできない感動を表現できました。ローカルには確実にグローバルを突破できる素晴らしいものがあるってことを、実感できましたね。

ハレとケ展 Hare to Ke Exhibition

取材日:平成29年5月23日
聞き手:SC3事務局(仙台市産業振興課)、岡沼 美樹恵
構成:岡沼 美樹恵

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高平 大輔

福島県南相馬市出身、仙台市在住。WOW Sendaiでキャリアをスタート、映像ディレクターの月田茂に師事。その後は地元プロダクションや松島の老舗・松華堂で監督として活動。
CMなどの企業広告をベースに東北の自然やアート、復興の様子などを撮影した作品を金沢21世紀美術館や国内外のメディアで発表。音楽プロデューサー・小林武史氏が主催するReborn-Art FestivalのPR映像や、タップダンサー熊谷和徳氏のドキュメンタリーなど様々なプロジェクトに関わってきた。
クリエイティブディレクションを務めた伝統工芸のPRサイト「手とてとテ」の映像がVimeo Staff Picksに選出される。世界中で100万回以上のビュー数を記録、HUFFPOSTやWIREDなど海外メディアに取り上げられ、販売や集客などの経済効果を生み出す。広告で養ってきた課題解決の姿勢と、人や土地へ寄り添う素朴な眼差しを通して精力的に作品を作り続けてきた。現在はフリーランスとして東北を拠点に活動中。「ワケルくん」で環境省 環境コミュニケーション大賞、4年連続環境goo大賞。グッドデザイン賞など国内外で受賞歴多数。プロレスが好き。原子力エネルギーに反対。

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