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クリエイターインタビュー|小野 健さん(後編)

 

株式会社ASAのプロデューサーである小野建さん。専門学校を卒業後、東京でシステムエンジニアとして働き、2011年に地元仙台に戻ってきました。仙台に戻ってきてから初めてデザイナーとの協働を経験したというIT畑の小野さんにお話を伺いました。

―今はどういったお仕事を手掛けていますか。

 今はプロデューサーという立場で、お仕事の依頼をいただいて、企画書を出したり、発注をいただいた場合はプロジェクトマネジメントをするような立場です。開発にかかわらず、ウエブ、スマホアプリ、システムとかパンフレット制作とか、何でもやってます。

―最近の案件で特徴的ものは何ですか。

 VR、AR、MRといった話も増えてきてます。東京だとありますね。VRの実績が。企画書とかは何回もつくってるんですけれども、仙台はあまりないですね。

―不勉強で恐縮なのですが、VRはゴーグルをつけて擬似体験…みたいなのがわかるのですが、MRって何ですか。

 ぶっちゃけた話をしてしまうと、どれも同じなんですよ。MRっていうのは、ホロレンズというマイクロソフトが出しているハードが一番有名なんですけども、例えば空間のでこぼこを二次元にする。なので、空間に対して現実拡張ができる。というのが一番わかりやすいんじゃないかなと思います。空間を認識できているので、「ここに机があります。椅子があります。ここに別の色の椅子を置きましょう」みたいなことが、MRだとできるんです。AR、MRは現実のものに何か追加するというものです。

わかりやすい例だと、「ポケモンGO」はARです。実際のカメラで街があって、そこにポケモンが出る。

―どうやってつくるのか、全然わかんないですよね。それもプログラムですか?

 プログラムです。基本的には中に映すものというのはCG映像であったりとか、3Dモデリングしたやつなんですけども、それをつくってどう表示させるかというプログラムがあります。ハードと連携するので、例えばジャイロスコープとかあったら、それと連動させるとか。そういうのはプログラムの役割ですね。

―今はもうプログラムはやってないんですか。

 やってないです。ただシステムエンジニアのときも、前半プログラマー、後半システムエンジニアって、そういう流れなんですよね。システムエンジニアになると、設計をやるので、余りプログラムをしなくなるんです。

―設計とプログラムで分かれるんですね。

プログラマーとシステムエンジニアは、そうですね。プログラマーだけやりたいという人は、ずっとプログラマーなんですけど、基本的に残って設計をし始めるとシステムエンジニアになりますね。全部を把握して、プログラムできるように設計書を書くという。

―今も設計のようなこともしてるんですか。

 はい、場合によってはやります。でも、システムエンジニアのときの仕事に比べれば楽ですね。あの当時は本当に大変だったので。それこそ請求回収システムをつくってたときなんかは、要は請求書を出すシステムなんですけど、何かもう1個1個のカード会社の支払日とかも頭に入れながら、「この会社は今月、2カ月後払い、2カ月前払い…」とかなんか。

―いつも頭をフル回転させてなきゃいけない感じですね。

 自覚はなかったんですけど、そうでしたね。特に僕は派遣だったので、自分のシステムだけやります…ということであれば短時間で終わるんですけど、毎回新しいところに行って、しっかり覚えないといけなかったので。あんなに勉強嫌いだったんですけど、仕事の力ってすごいなと思いました。

―仕事をしていて、どの部分がおもしろいなと感じられますか。

 そうですね、やっぱり無事納品できたときはうれしいですけど、あんまりおもしろくないですね(笑)。

―受け取る方の顔が見えたり、その反応が見られるというのは?

 それは、うれしかったですね。ずっと、システムのときは社内システムだったので、一般の方に見てもらえる仕事はうれしかったですね。

―先ほど、「仙台がいいなと思ったから、仙台に来た」ということでしたが、ほかに仙台を選んだ理由はありますか。

 ちょうどいいんですよね。東京で働いてみて思ったんですけど、仙台って人の多さがちょうどいい。あとはやっぱり緑が多くてご飯がおいしい。最初、東京行ってサンマ定食食べたときに、生臭いと思いましたもん(笑)。

お米もあんまりおいしくなかったし。店によると思うんですけど。

―仙台がこういう街になってほしいとか、役所にこういうことをしてほしいという期待はありますか。

 あります。

―教えてください。

 自動運転の街にしてほしいです。

―自動運転の街?

 楽しそうだし、いっぱい人が来そうです。日本で唯一、自動運転にする。何か変わりますよね。いろいろ。市営バスがもう10分に1本ぐらい来るとか。

―そうやって考えると、ITが街にできることって、すごくたくさんありますね。

 いっぱいあると思いますね。使い方だとは思うんですけど。VRなら、VR電話とかおもしろそうじゃないですか。

―VR電話?

 例えば、田舎のおじいちゃんと孫を会わせるっていう。多分どんどん画質もよくなってくるので、本当に目の前にお孫さんがいるような。

あとはAIですよね。東北って、なまってるおじいちゃん、おばあちゃん多いので、なまりに対応したAI。特に高齢者は移動が大変だと思うので、もう言ったら品物が来るみたいな。なまり対応アレクサみたいなやつですね。

―ITっておもしろいですね。

 スマホができたことで、生活に密着したものが圧倒的に便利になったんですよね。僕、この前、銀行のキャッシュカードが割れてて、交換しに行こうと思って窓口に行ったんですよ。そうしたら「通帳が必要、印鑑が必要、何ちゃらかんちゃら」って言われたんですけど、スマホのアプリでポンと押せば来るんですよ、キャッシュカード。指紋で承認、確認できてるので。「何で俺、銀行まで行っちゃったんだろう」と(笑)。

―仙台市もITは何か力を入れてやっているので、自動運転の街になればいいですよね。

 被災した荒浜地区とか、人が住めないじゃないですか。あそこでいっぱいテストできると思うんですよ。がんがんテストしてもらって。

―もう今は、ほかの場所には行く気はないですか。

 仙台でいいかなと思いますね、全然。働きたいことがその街にあるのであれば、動かざるを得ないと思うんですけど、余り個人的には場所にこだわらないので、仕事とか人とかが、仙台は今充実してるので。

―確かにそうですね。アメリカ(*)のほうに行くことはないんですか。業務で。
(*)株式会社ASAは、サンフランシスコとロサンゼルスにもオフィスを構えている

 ないですね。ASAアメリカという法人があって、彼らが世界の仕事を仙台に持ってきています。

―仙台にいながらにして世界の仕事ができるのですね。この会社なら。

 そうですね。基本的にウェブとかプログラムにひも付いているものって、使用言語が何だろうが、同じプログラム言語なので、どこでもできるんですよね。

―最後に、クリエイティブ分野、主にITの分野でやってみたいなという人にアドバイスやメッセージをお願いします。

 クリエイティブもITもジャンルとかあんまり関係ないと思っています。もうやりたかったらやれと。謝るときは謝るしかないですし、失敗しないと伸びないですから。やりたいならやって、失敗して、おいしいお酒飲んで忘れて、やるしかないんじゃないですかね。今は、働き方改革が進んでいるので、例えば230時間残業とか無理だと思うんですけど、若い頃はそれなりの量はこなしたほうがいいと思いますし、失敗して、大きくなると思います。

取材日:平成30年12月20日
聞き手:仙台市地域産業支援課、岡沼 美樹恵
構成:岡沼 美樹恵

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小野健

秋田県北秋田市鷹巣町出身、仙台市在住。
株式会社ASA DIGITAL開発ソリューション部門

[経歴]

東北電子計算機専門学校でプログラミングを学び、東京でプログラマー/システムエンジニアを10年経験。その後、宮城県にUターン転職。

2012年dmp入社。
2016年10月にASA DIGITALに社名変更。

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