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クリエイターインタビュー後編|小野寺 誠(映像クリエイター)

時代と共に変わりゆく地元宮城の情景を後世に残したい。今、目の前に見えている感動を映像という作品を通して、より多くの人に伝えていきたいです。

本日は宮城県で活躍される映像クリエイターの『小野寺 誠(おのでら まこと)』さんにお話をお聞きしました。今では国内だけにとどまらず、海外からも評価の高い作品の数々。映像制作のきっかけや作品作りにかける思いなど、等身大の小野寺さんをご紹介します。

 

―宮城県の動画市場における意識についてどう感じますか。

やっぱり関東などに比べたら、まだまだだと感じます。タブレットやスマートフォンなどの端末の普及は進んでいますが、企業側の映像を使ったプロモーションの浸透はもっと時間がかかるのかなと。まだまだテレビや紙媒体が強い土地だと思いました。逆を言えば、そこにビジネスチャンスがあるとも考えます。

今の時代、SNSやYoutubeなど拡散性の高いツールもあるので、まずはより質の高い映像作品を作ることで、自身のブランディングや発信力を高めていければと思っています。そして作品を通じて、個人や企業の方との繋がりを増やし、動画をより身近に感じてもらえたら嬉しいですね。

―撮影場所で公園は使われますか。

四季の風景を撮りたくなって来ることはありますよ。今の時期だと、日照時間の関係もあって撮れるタイミングが少ないので、今日のような秋空の日には、体もうずいてしまいますね。遊具で遊ぶ子供の姿とイチョウの葉が舞う姿がまたいいじゃないですか。

―撮影する上で大変なことはありますか。

撮影する対象物によって大きく変わってきます。屋内での撮影は比較的やりやすいのですが、屋外撮影の場合、雨が降ろうが雪が降ろうが撮影をしなくてはいけない時もあります。

クライアントの希望で雨の映像を作品中に納める場合には、レインコートを着ながら、納得のいく撮影が出来るまでその作業を繰り返します。雨の日はまだいいですが、雪の日の撮影時も素手での作業のため、手がかじかみながらカメラを操作していました。自然や天候はどうすることもできないので、何もしないで帰ったり、ひたすら待ったりすることも当たり前のようにありますね。

それでもいい画が撮れると、それまでの苦労も報われるというか、楽しさが勝ってしまうこともしばしば。動画って楽しいですよ。

―やりがいはどういう場面、どういうことで感じますか。

そもそも映像作品が好きなのです。映画やCMなどを見ていると、楽しい作品や参考にしたくなるものをチェックしながら、頭の中にストックしています。そういうパズルを組み合わせて作った作品が完成した時は楽しいですし、それを見た人から何かしらの反響があったり、コメントをもらったりすると感動もひとしおですね。それでもまずは自分が楽しんでやるようにしています。自分が感じた楽しさを動画作品の中にも、同じように投影が出来たら最高と思いますね。

JAPAN Tohoku Miyagi Sendai / SPRING IN SENDAI 春の仙台

―撮影をする上で意識していることはありますか。

まず大きく意識するのは光と影ですね。特に自然や観光地を撮影する場合には、太陽の関係や照明の陽と陰の部分。このバランスの中で綺麗なシーンを探すことを意識しています。そして、現地で実際に自分の目で見て、感じた感動を主軸に撮影や構成を考えるようにしています。逆を言えば、よくあるような当たり前のシーンを撮るも、その被写体から受ける印象が悪ければ、思い切って除外しています。

また作品は必ず『見ている人がいる』ということを意識します。同じ被写体一つでも同じ角度からの撮影だけでは、ユーザーを飽きさせてしまう可能性もありますし、その対象物の魅力を十分に引き出してあげられていないかもしれません。前述の光と影にも通じるのですが、一つの被写体でもいろんな角度から撮影して、カット割りをすることで構成にアクセントを加えています。

私の作品を見た人からは「絵コンテ」など書いているんですかと質問を受けたことがありますが、構成やイメージは全て頭の中ですね。あまり絵を描くことが得意ではないということもあるのですが、普段から社会にある被写体を見て、ストーリーを考えたり、間の繋ぎを考えたりしているので、その経験が生きているだと思います。

そしてなにより感動して撮影することが大切だと思っています。いい絵が撮れている時ほど、自分自身が感動しています。(笑)

-撮影した素材を使い、作品へと変化させるポイントはありますか。

私の場合、音楽を付け加えることで映像に作品としての息を吹き込んでいます。

まずはどんな作品を撮りたいかで、挿入する音楽を構想しますが、実際に撮影場所へ行き、そこで被写体を見て、そのイメージ像をより具体的に固めていきます。そこで出来た全体像を基に、始まりと終わりの曲を決定していますね。また映像のカット割りや構図などと一緒で、曲も単調だとユーザーを飽きさせてしまう可能性もあるため、効果音をつけたり、曲を短くしたりして、ポイント的にアクセントをつけるよう心掛けています。

仕上げまでいろんなパターンでその作業を繰り返し行い、最後は自分自身が視聴者としてその作品を客観視することで、本当に感動する映像なのかをチェックしています。人を感動させるためには、まずは自分が感動できなくては、見る人に何も伝わらないですからね。前述にもありましたが、まずは自分が楽しみながら作ることが大切です。

終始インタビュー中の小野寺さんは、少年のように目を輝かせて楽しそうに作品作りについてお話をされておりました。この日も西公園をまたぐ歩道橋の上から見える道路をみるやいなや、カメラを取り出し行き交う車の様子を撮影しています。そんな後ろ姿を見て、ますます小野寺さんの魅力にとらわれていました。

最後に今月から始まった『SENDAI光のページェント』の作品でお別れとなります。これからも小野寺さんが作りだす映像の世界に注目です。

SENDAI PAGEANT OF STARLIGHT | SENDAI光のページェント

Low Light Test / 小名浜港 Onahama Port【工場夜景 Factory night view】

PHOTOGRAPHER TSUKUNE|ビデオ SALON 2018年6月号「ザ・ベストムービー」受賞作品

取材日:令和元年11月19日
取材・構成:木戸 靖貴
撮影:はま田 あつ美

前編 > 後編

小野寺誠

1973年生まれ。宮城県出身。初めて映像を編集したのが、二十歳の頃。それからサラリーマン生活を送りながら、独学で作品を作り続ける。ブライダルカメラマンを経て、2017年から東日本大震災で被災した宮城をもっと知ってもらいたいという思いで、映像制作を開始する。地元宮城を拠点に観光地やイベント、ポートレートなどの映像をYouTubeで世界に発信している。現在は、独立してフリーで活動中。

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