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クリエイターインタビュー|嵯峨 倫寛さん(後編)

学校アルバムを制作する会社で経験を積み、2013年よりフリーランスのカメラマンとして広告分野を中心に活動している嵯峨倫寛(さが みちひろ)さん。作品制作にも精力的に取り組んでおり、定期的に個展・グループ展なども開催している嵯峨さんにお話を伺いました。

―仙台で働き続ける理由を教えてください。

これと言った理由は、特にないですね。大学を出るときに、東京に行こうかなとも思いましたし。たまたま声をかけてもらえた会社に9年いて人脈もできて、それを足がかりにフリーで仕事を始めたので、流れに任せた感じです。

―仙台で仕事をしてきた強みはどんなところですか?

「仙台で」というよりは「前の会社で」という話になってしまうんですが、編集や入稿、印刷立ち会いなども経験し、印刷物ができる流れを理解していることは強みだと思います。それを知っているからと言って仕事をいただけるわけじゃないですが、デザイナーさんとか、一緒に仕事する方には信頼していただく要素になると思います。

―仙台で仕事を続けてきて、気づいたことはありますか?

東京のカメラマンってすごいんだろうなって思うじゃないですか? もちろんすごい人はいますけど、向こうでやっているから必ずすごいってわけではない。それに気がつきました。何年か仙台でやってきて、自分の写真と見比べてみたりして、結構勝負できるんじゃないかって。どこでやるかは、そこまで重要じゃないと思っています。

―仙台は、東京に比べて仕事の絶対量が少ないというイメージがあります。

東京にいる先輩カメラマンたちの話では、仕事の数は多いけどカメラマンもすごく多いから、必ずしも多くの仕事をできるとは限らないようです。仙台、実は仕事の量は結構あるんですよ。ただ、選り好みせずなんでもやらないといけない部分はありますね。東京だと棲み分けされているんですが、「人を撮りたい」「物を撮りたい」というようなことを言っていると、仙台では仕事が減ってしまいます。

 

―オールラウンダーが求められるんですね。

はい。仙台では、いろんな仕事に対応する力が求められます。僕もフリーになったばかりの頃は、あまり経験がない撮影も「撮れます」と言ってやらせていただき、学びながらこなしてきましたから。そうすることで自分の撮影技術を高め、対応力を広げてきました。

―今後、仙台から拠点を移す予定はありますか?

拠点は変わらず仙台のつもりですが、仕事をする範囲は徐々に広げていきたいと思っています。自分の仕事の軸としてやりがいのある仕事をやりたいというのが1番にあるので、仙台だろうが石巻だろうが、モチベーションが上がる仕事があればどこでもいいんです。一方で、自分ってどれくらいまでの仕事ができるのかなっていうのがあって、現状に満足してしまわないように常に新しいことをやっていきたいです。

―仙台にこんな場所があったらいいな、というものがあれば教えてください。

仙台にいて1番思うのは、クリエイティブな仕事の情報が得られる場所が少ないこと。前から何となくは知っていましたけど、TRUNKに入居してみて、おもしろいことをいっぱいやってるんだなと改めて知りましたから。もっとそういう場所が増えるといいなと思いますね。

―こんな人がいたらいい、というのはありますか?

いい仕事とは何かをきちんと伝えられる人が、もっと表に出てきてくれるといいなと思います。例えばデザインなどの提案を絞り込むときに、その理由を感覚的にではなく、誰もが理解できるように論理的に説明ができる人。そういう人ともっと一緒に仕事をしたいなと思います。仙台にもたくさんいると思うんですけど、限られたところでしか会えないんですよね。あとは、誰もが知っているような広告をつくったことがある人。有名だからいいということではないけど、それがあるだけで説得力が違ったりするので。

―仙台でチャレンジしてみたいことは何かありますか?

具体的に「これ」というものはないんですが、『とうほく あきんど でざいん』みたいな仙台ではなかなかできないような仕事がスタンダードになっていくといいなと思いますね。東京の後追いじゃなくて、「仙台すげえ」みたいになるような独自のものをつくって発信できるといいですよね。スタイルみたいなものを確立して、それを求められる仕事をやれるようになれたらいいなと思います。地方だって負けねぇよっての、証明したいんです。

―行政にしてもらいたいことってありますか? こうしてくれたらもっと仕事しやすいのになっていうのとか。

僕自身は行政に頼る気はないので、特にありません。ただ、例えば補助制度とかについての情報発信はもう少しわかりやすくなるといいかなと思います。頑張って仕事をしているのにそれを知らなかっただけで損、みたいなのはやっぱりよくないと思うので。

―クリエイターを目指す人に何かメッセージをお願いします。

僕は才能よりも、努力することの方が大事だなと思っていて。本当にすごい人たちっていうのは、才能だけじゃなくてすごく努力をしている。いただいた仕事をきちんとやる、スキルアップのための勉強もやる。うまくいかなくても周りのせいにせず、1個1個着実にやり続けていれば、クライアントも仕事仲間も必ず助けてくれますから。その辺の覚悟をした上で本当にやりたいと思うんだったら、飛び込んだらいいと思います。

取材日:平成29年6月30日
聞き手:SC3事務局(仙台市産業振興課)
構成:工藤 拓也

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嵯峨 倫寛

1980年宮城県石巻市生まれ。写真家/フォトグラファー。東北学院大学工学部機械工学科卒。
浪人中に写真を撮り始め、大学卒業後に(株)491アヴァンにカメラマンとして入社。その後、2013年よりフリーランス。現在は広告分野をはじめ、幅広く活動。また、作品制作も精力的に取り組んでおり定期的に個展・グループ展等も開催しています。
写真の魅力は「想像の幅」があることだと思います。被写体から、それ以上のものを伝えるのが、私にとっての写真です。

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