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クリエイターインタビュー|佐藤 志保さん(後編)

武蔵野美術大学を卒業後、東京の広告会社やデザイン事務所での勤務を経て地元仙台へ戻ってきた佐藤 志保(さとう しほ)さん。2015年にimamoi株式会社を設立し、日々活躍されている佐藤さんにお話を伺いました。

―デザインの仕事のやりがいはなんですか。

デザインって、やりがいを感じにくい仕事だと思うんです。ものを作る仕事なので、その先の、ものが実際に使われている場面を見る機会が少ないので。
でも、例えば、自分が作った名刺をクライアントさんが実際に使っているのを見たりすると「やってよかった」と思います。このスタンプラリーも、子どもがスタンプを押しているのを見たときは嬉しかったです。

―広告関係の仕事はクライアントが使っているのを見る機会はなかったのですか。

広告なので駅に掲出されていたりとか、人の目に触れたりすることは多かったんですけど、入れ替えのサイクルが早くてすぐになくなっちゃうんです。

―デザインの仕事の難しさは。

たまに、「お任せするので好きに作ってください」という依頼をいただくことがあるんですけど、そういう時が一番注意が必要だと思っています。そういう場合でもお客様なりに思っていることは絶対にあるので、自由に作って提案しても結局できあがったものに満足していただくことができないんです。なので、どういうものを作りたいんだろうっていうことをうまく聞き出すことが私にとっては重要です。

―これらの仕事も結構綿密に打ち合わせしているのですか。

それぞれ違いますね。一回の打ち合わせでイメージが分かる人もいれば何回も打ち合わせを重ねてイメージを共有していく人もいます。

仙台市市民活動サポートセンターで行われたイベントマチノワWEEKの広報

―他の企業が作っている広報物を真似たいなど、作りたいイメージが100%出来ているとデザインする余地がないので大変そうですよね。

そうですね。コレ(名刺上)を見て、他の会社さんがロゴなどを作りたいと依頼してくださったことがあったんです。この色の感じが好きですって言っていただいて。でも、業務内容や人柄がこういう色のイメージではなかったので、違う提案をして気に入っていただきました。

佐藤法律事務所のVI
株式会社COCO.のVI

―納得してもらうのって凄いですね。どうしても納得してくれないクライアントもいますか。

絶対に譲らないっていう方には私はそんなに出会ったことはなくて、しっかりとコンセプトを説明すると納得していただける場合が多いですね。

―つくったもののコンセプトをしっかり説明できることは大事ですね。

コンセプトをきちんと説明できないものは作らないようにしています。「なんでこうなったの」って言われたらなるべく理由を言えるように。意外と理屈っぽいのかもしれないです。芸術家タイプのデザイナーじゃないんだなって思います。

―「あ、降りてきた」とかではないんですね(笑)。

そうですね。私には降りてこないんです(笑)。

―imamoiを2015年に設立されていますが、仙台に戻ろうと思ったのはなぜですか。

私は高校を卒業するまで仙台で育って、仙台が好きだったんです。でも、行きたい大学が東京にしかなかったので東京に引っ越すしかなくて。なので、東京に行ってからも、いつかは仙台に戻ろうとずっと思っていました。きっと、仙台に行きたい美大があればずっと仙台にいたと思います。

―なぜ仙台で独立したのですか。

仙台に戻ってきてからも、最初は全然独立する気はなくて就職しようと思っていたんです。でも、私を受け入れてくれそうなデザイン会社を見つけられなかったので、無謀だったんですけど独立しちゃいました(笑)。

―仙台に戻ってきていなければ独立はしてないですか。

してないですね。デザイン会社で働いていたと思います。

―大学を卒業して何年後に仙台に戻るとかは決めていたんですか。

決めてなかったですが、いつまで東京で働いているんだろうなとはずっと思ってました。東京では妹と一緒に住んでいたので、妹が大学院を卒業したのをきっかけに、「仙台戻ろうかな」と思いました。

―独立してからの仕事のスケジュールはどうやって決めていますか。

打合せに行っているか作業をしていて、合間にご飯を食べる感じです。特に決まっていないですね。

―プライベートの時間も仕事のことを考えてしまいますか。

そうですね。クライアントに提案する前とかは考えていますね。キャベツを刻んでいるときとかに「あ!」みたいな(笑)。そういうことが結構あります。

―意識してオンオフを切り替えたりはしていないですか。

できてないですね。切り替えた方がいいのは分かっているのですが、なかなか難しいです。

アド装建株式会社創立50周年記念冊子のアートディレクション

―仙台にこんな人がいたらいいなと思うことはありますか。

デザインに興味を持っていて、デザインを仕事として評価していただける方がもっと増えると良いと思います。

―東京でのキャリアを経て、仙台での仕事について思うことは。

地方には仕事が少ないと思われているかもしれませんが、そんなことはないと思います。
あとは、行政だと発注先が仙台縛りとかあるじゃないですか。なので、一般企業も東京に発注せずにそれをやれば、もっと仕事が増えるのではないかと思います。企業から仙台にはそういう人材がいないって思われているのかもしれないですが、そう思われないような仕事をしていきたいです。

取材日:平成29年3月28日
聞き手:SC3事務局(仙台市産業振興課)
構成:岡沼 美樹恵

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imamoi株式会社

2015年、佐藤志保により設立。グラフィック、サイン、空間、広告、VI、WEB、パッケージなどのデザインを中心に活動中。詳しくはwebをご覧下さい。

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