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パルサー(中編) 客の困り事解決に取り組む中、生まれた革新的商品

視点を変え、覚悟を決めて事業に向き合うと、事態が好転し始める。ネット販売が全国からの注文を呼び込み、経営者仲間の助言によってこれまでにないカスタマイズ商品が生まれ、行動心理学を取り入れた自社だけのサービスを展開できるようになった。問い合わせがあれば一軒一軒回り、変わらぬ客目線での困り事をサポートする地道な営業活動も実を結び、首都圏の客を中心に売り上げは十数倍に拡大。自分一人だった社員も20人まで増えた。

客の困り事解決に取り組む中、生まれた革新的商品

−代理店の役割が変わってきたと感じて、どんなことを始めたんでしょうか。

阿部 券売機に限らず、メニュー表やのぼり、看板を作るなど、お店さんの「困り事」に注目して役割を考えるようになりました。メニュー表の写真撮りなども、当時は私がやっていたんです。本を読んで勉強して、ライティングが難しいなとか、どうやっても麺が沈んじゃうなとか、苦労しながら全部自分でやっていましたね。

ほかにもオペレーションを一緒に考えたり、ネットでの販促を提案したり、採用のお手伝いから売り上げの計画まで。それまでは券売機を売りたいのが一番だったので券売機中心に店を見ていたんですが、お客さん中心に考えるといろいろな困り事が見えてきました。

ただ、メニュー表を作りますと言っても、そこは印刷会社の方が安くて良いものができる。単体ではプロに負けると思い、やはり券売機と絡めて提案するようになりました。券売機を使ったメニュー表とか、券売機をベースにしたオペレーションとか、券売機に掛け算していったということです。

−券売機のパネルに写真を付けるというアイデアも、その掛け算の中で生まれたんですか。

阿部 そうです。券売機はメニューの文字が書かれたボタンが並んでいるだけで分かりづらい。それに、選んでいる最中に後ろに立たれると焦ってしまって余計に迷う。そんな声を同友会の皆さんから聞いて、写真を付けたら分かりやすいのではないかとひらめきました。店に来るお客さんにとっても、選ぶ楽しさが生まれるんじゃないかと。

文字のみの券売機(左)と写真POP付き券売機

−いまや写真付き券売機は当たり前になりましたが、最初に取り組んだのが御社だったんですよね。

阿部 うちが最初に取り組み、実績も業界では一番だと思います。それと合わせて始めたことが、配列に手を加えること。これは同友会の先輩である株式会社パンセ(パンの製造・販売を手掛ける仙台の企業)の菊地肇社長に学んだことでした。パンセさんは置き場所によって商品の売れ行きが変わるということを研究していて、時間帯によってパンを置く場所を変えているんです。

それで考えてみたら、券売機はみんな迷ったら左上を押す傾向があるなと。そこで行動心理学を取り入れ、あるお店で配列をいじって効果を試させてもらいました。それまで左上から×××××となっていたのを×××××というふうに配置し直したら(伏せ字は筆者)、単価が50円〜100円くらい上がったんです。そこで初めて、うちだけの強みを見いだしました。

ラーメンの券売機の比較。メニュー構成の違いもあるが、配置がまるで異なる

−お店の方も効果が分かりやすいですね。

阿部 ただ想定外だったのは、仙台のお客さんからは単価を高くしたくないとか、できるだけ安い機械がいいという要望が多かったんです。単価が50円変わったら1日100人で5,000円、25日営業で12万5,000円。リース代を月1,000円上げてもらえれば売り上げが月12万5,000円、年間で150万円増えるんですよと言っても、反応は薄かったですね。

でも、2011年にウェブクリエイターを採用してネット販売にさらに力を入れたことで、全国のお客さんから問い合わせが増え、特に首都圏のお客さんから反響がありました。券売機自体はメーカーさんが作っているものですが、それに写真POPを入れて「デザイン券売機」という商品名で売り出して、問い合わせが入ったら直接営業に行って配置の効果も説明したら、とても評判が良くて。

−営業先は個店がほとんどですか。

阿部 そうです。これからオープンするお店に一軒一軒、商品の良さをしっかり伝えて、どんなお店を考えているのか、困り事も聞いて。本当に地道に、一日にアポを何件も入れて毎週のように営業に行っていました。

苦労話も笑いに変える明るい人柄の阿部社長

−そこから売り上げはどのように推移していったのでしょうか。

阿部 2010年に2,000万円ぐらいだったのが、右肩上がりで2019年は2億6,000万ぐらいになりました。

−地道に営業するだけで、そこまで順調に増えるものではないですよね。

阿部 先ほど話した困り事のお手伝いという視点で、いろいろとやっていたからでしょうね。特にウェブができる社員が入ってからは、ホームページ制作も事業として行うようになりました。当時はフェイスブックができたばかりで、これから伸びると感じてビジネスの活用セミナーを行い、ホームページ制作を受けてウェブ事業のお客さんを増やしていきました。

結果的に、それが券売機事業にも生きることになります。SEO対策やアクセス解析などお客さんの事業を伸ばすためのウェブ戦略に取り組んでいたおかげで、グーグルの仕様変更などにもいち早く対応できるようになり、それを自社のメディアにも還元して少しずつ強くなっていきました。ウェブからの検索流入が増え、首都圏からの問い合わせが増えて、2012年に4,000万円だった売り上げが2014年には8,000万円になりました。

ウェブ、DTPの制作部門

−その頃には社員数は。

阿部 4,000万円ぐらいまでは2、3人でやっていましたが、8,000万円の時には8人くらい。現在は18人ほどになっています。売り上げが増えてから人を採るのではなく、売り上げを増やすために毎年採用してきました。社員を増やして、それに見合う売り上げをつくろうと頑張った、とも言えますね。ただ、人がなかなか定着しなかったので、そこは苦労しました。

取材・構成:菊地 正宏
撮影:松橋 隆樹

 

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