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ライターバトン -18- 「美しくありたい。-三十路女のメイク沼-」

仙台を中心に活躍するライターが、リレー形式でおくります。前任ライターのお題をしりとりで受け、テーマを決める…という以外はなんでもアリの、ゆるゆるコラムです。

美しくありたい。-三十路女のメイク沼-


2018年も、もうおしまい。
「平成最後の」と言えば何でも許されたような今年1年を、みなさんはどんなふうに過ごしましたか?

私は、仕事に、メイクに、仕事に、お酒に、メイクに、ゲームに、仕事に、メイクに、仕事に一生懸命な1年でした。
そう、仕事の次に時間を共にしたもの。それが、メイク。

今回は私が愛するメイクの話をさせてください。

デパートにずらりと並ぶ、化粧品カウンター。
白、赤、黒、ゴールド…。それぞれのブランドカラーが彩る、あの空間が好きな女性は多いはず。
かく言う私もそのひとり。

そして、美しさの申し子のような美容部員さんにタッチアップをしてもらう時間。
もしかしたら金曜の夜にビールを飲む瞬間より好きかもしれません。

そうして口はひとつだけなのに「やっと自分に似合う色見つけたわー」などと言いながら次々と増えるリップ。
どこからどう見ても目は2つしかないのに「今までこんな色持ってなかったー♡」などと理由をつけては増え続けるアイシャドウ。

ああ。ダメとわかっていても、どうしても欲しくなってしまう。
この気持ち、恋愛と同じかもしれない…。(絶対いい恋愛してない)

こうしてメイク沼に長年はまってきた私ですが、今年、とてつもない経験をしました。
日本を代表する化粧品メーカー・資生堂が行っているメイクレッスン「PERSONAL BEAUTY LESSON」を受けてきたのです。
資生堂屈指のビューティカウンセラーが、その人の魅力を引き出すメイクテクニックを教えてくれるという至福の時間。思い出しただけでも涙とヨダレが止まりません。

ちなみにこのメイクレッスンには全国の女性から応募が殺到するため、予約が取れない人も多くいるのだとか。
しかし、そんな時こそ溢れ出す私の底力。
なんと、一発で予約を勝ち取りました。ああ、神様ありがとう…!

レッスンの冒頭では独自の機器を使って顔のバランスを測定。
標準のプロポーションとされる顔に比べ、自分の目や鼻、口のパーツはどれくらい離れているか、また近いかを測定し、「フレッシュ・クール・女らしい・キュート」の4つからその人の顔立ちを分析します。

私の結果は…
なんと「キュート」という結果に!

『キュ、キュキュキュキュート!?!?!?』という心の声を必死に押さえ、思わず「ふ、ふふふ…」とにやける私。

さらにカウンセラーのお姉さんがメイクテクニックを教えながら、
「充分に美人なお顔立ちですよ」
「肌が白くて羨ましいです」
なんて、うれしい言葉をくださるのです…。
(書いていて恥ずかしいのですが、本当にこんな言葉をかけてくれました…! 本当に、本当だってば…!)

社会の荒波に揉まれ尖った私の心は丸くなるばかり…。
さらにプロの手にかかることで自分の顔がちょっとずつ好きになっていく…。
こうしてまた、私のメイクへの愛はいっそう深まっていったのです。

…その帰り、化粧品を買い漁ったことは言うまでもありません。

ちなみにメイクの楽しさは、美しいパッケージにもあると思っています。
例えばこのトム・フォードのリップ。

インスタグラマーみたいに大理石の上とかに置いて撮影したかったのですが我が家にそんなものはなく、洗面所にある棚の上で撮影しました。

たったアルファベット2文字なのに、その主張の強さに泣く子も黙る「TF」のトレードマーク。
白と濃紺に映えるゴールドの輝き。

ああ、なんて素敵なフォルム…。
品があり、艶っぽく、美しい佇まい。

ちなみにトム・フォードのリップはそのネーミングもまた素敵。
「シンディ」や「グレース」「ナオミ」といった、世界にその名を轟かせた女性たちの名前や
「オートエロティック」や「デンジャラスビューティ」「パーフェストキス」といった、ちょっぴり大人の匂いがただよう名前が付いているんです。

え?
『デンジャラスビューティってなんだよ、北斗 晶かよ』って?
すいませんがそれは「デンジャラス・クイーン」です。

…なんてくだらないことを書いていたら、もう文字数いっぱい!
少しでもメイクの楽しさが伝わったなら幸いです。

次回

さて、「美しくありたい。三十路女のメイク沼」の「ま」からテーマがはじまる次回は、谷津智里さんが担当します。
知的で穏やかなお人柄。フットワークが軽く仕事熱心。書く文章にもその優しさがうかがえる…などなど、見習いたい部分が盛りだくさんの素敵な女性です。私もこんなお母さんの元で育ってみたかった…。

-17-「手作りのお弁当」 -18-「美しくありたい。-三十路女のメイク沼-」 -19-「マンホールの先の海」

及川恵子

大学で建築を学んだのち、雑誌編集の世界へ。現在はフリーライターとして東北各地で取材に駆け回る。最近初めてプロレスを観戦し、感動して泣く。

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