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ライターバトン -7- 「“いいコピー”って、なんだろ?」

仙台を中心に活躍するライターが、リレー形式でおくります。前任ライターのお題をしりとりで受け、テーマを決める…という以外はなんでもアリの、ゆるゆるコラムです。

“いいコピー”って、なんだろ?

大学を卒業して広告代理店に就職し、コピーライターとしての仕事をはじめたのは、かれこれ30年以上も前。糸井重里さんとか、仲畑貴志さんとか、いわゆるコピーライター・ブームと呼ばれた時代です。その間に仕事の道具も、2Bの鉛筆と原稿用紙からワープロ、そしてパソコンへと様変わりしてきました。

 

あ、そう言えばワープロが普及したての頃、東京コピーライターズクラブのコピー年鑑に掲載された対談記事で「ワープロが進化したら、コピーライターという職業は無くなるかもしれない」みたいなことが語られていたのを思い出しました (おそらくワープロ=ワード・プロセッサ=言語生成機という意味を誤解されていたのではないかと推察しています)

 

幸運なことに、コピーライターという職業は未だに必要とされています(ずいぶんと需要は少なくなりましたが)。でも、道具の変遷と同じように、広告コピーに求められるものや、広告制作チーム内での役割(コピーライターに必要な資質)はずいぶんと変わってきたように思います。

 

自分が仕事を始めた頃は、(そう思っているのは私だけかもしれませんが)“なんとなく”、“雰囲気”だけでモノやサービスが売れていた時代でした。そこから一転してモノが売れない時代になり、広告もよりシビアに結果が求められるようになりました(ま、それがあたりまえなのですけどね)。それに伴って広告コピーも、情緒や感性に訴えるものから、比喩表現などを削ぎ落としたストレートなものや、とにかく記憶に残すことを重視した連呼型のアイデアを求められることが多くなってきたような気がします。

 

さらにWebメディアの登場で、広告コピーそのものの質はもちろん、コピーライターに求められる資質も大きく変化しました。新聞広告やテレビCMなどのマスメディアが広告の中心だった頃は、商品の特性と生活者の心情に向き合い、両者を結びつけるために最も効果的な“言葉”を考えるのが主な仕事でした。でも今は、Webを含む複数のメディアを組み合わせながら、いかに効率的に生活者を商品やサービスにより近い場所へと誘導する“仕組み”を考え、その仕組みの課程ごとに最適な言葉をあてはめていくといった仕事が多くなりつつあります。

 

昔と今、どちらが好きかと問われれば、どちらもそれぞれに面白い。ひと口にコピーライターと言っても、人それぞれ、仕事それぞれ、時代それぞれに、いろいろなアプローチやスタンスをとることができる。もともとが飽きっぽい性格だからかもしれませんが、変化に富み、自由度が大きいからこそ、ひとつの職業を30年以上も続けてこられたのかなと、このコラムを書かせていただきながら、あらためて思いました。

私がバトンを渡すのは、最近とみに数が減りつつある私より年上のコピーライター、山路裕一さんです。山路さんは、フリーランスやプロダクション歴の長い私とは異なり、大手広告代理店のコピーライターとして永くご活躍され、一昨年、満を持してご自分の事務所を立ち上げられました。立場の違いから、また違ったコピーライター観をお持ちかと思います。ご期待ください。

 

※写真は、本文とはまったく関係ありません。

-6-「手前味噌、バンザイ!」 -7-「”いいコピー”って、なんだろ?」-8-「論よりコンセプト」

三國 仁志

仙台にまだ市電が走っていた時代に長町あたりで生まれ、石巻市で育つ。仙台市内の大学を卒業後、地元の広告代理店に就職するも3年あまりで退職。その後、履歴書の職歴欄にはおさまりきらないほどプロダクション、広告代理店、フリーランスと転職を繰り返しながらも、一貫して自分はコピーライターだと自称し続けています。

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