森とギャラリー

2016.12.27

森とギャラリー

写真

二人のアーティストのためのギャラリー。手のつけられていない森に建つ、小さな展示空間のあり方を考えた。背後には山が構えており、傾斜下には川が、大小の木々が点在する敷地である。一方で、求められる空間をつくることは、少なからず、風景の一部や大地を削ることでもあった。そこで、建物の大地に接する部分を最小限とし、大きな屋根を主構造として空間をつくることを考えた。建物の大半を大地から離し、既存の樹木の間を縫うようにして、南に流れる小川に向けてギャラリーを配置した。展示を行う床も屋根から吊ることで、限りなく透明な外壁ができ、作品と風景が溶け込むような空間となる。着かずとも離れない森と建物の関わり合いの中で、周囲の風景をも展示空間と感じられるギャラリーを目指した。