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浅野友理子

Creators Diary クリエイターズダイアリー

仙台で活動するクリエイターらが日々の出来事や想いを書き留める7日間のフォトダイアリー。誰にでも等しく訪れる一日。けれどもその数だけ異なる一日がある。書くことで読まれる出来事と、読むことで知る誰か。コロナ禍に顔を合わせる機会は減れども、それぞれの日常は続いている。「元気だろうか?仕事はどう?」と頭に浮かぶあの人が近くて遠いこの頃に綴る、一週間の記録です。(月3回更新予定)

1/19(火) 晴れ

久しぶりにアトリエに向かった。今日は取材のため、お客さんが来る日。毎年冬は寒いので、家で制作をすることが多い。とはいえ、そろそろ大きな作品の下地作りに取り掛かりたかった。重い腰をあげる良いタイミングをいただき、アトリエを整えに向かう。掃除と少し模様替えをして、画材を買って、古くなった灯油を入れ替える。インタビューを終えて帰宅。ところで、最近の楽しみは、家に帰ると子猫が居ることである。にゃーにゃー、遊んでーと走りよってくる姿にメロメロになっている。家が明るい。もともと居るハムスターとの関係も今のところ良好だ。この1週間ほぼ猫日記になる可能性がある。

1/20(水) 晴れ

夜、猫を動物病院に連れていくことになった。灯油を入れようとしたところ、猫の脚に灯油がついてしまって大変。舐めたのか元気がなく、吐きはじめてしまった。色々と試したが、心配なので、夜間もやっている港町の病院へ向かった。深夜、凍った道路にびくびくしながら家を出た。なつかしい感じの動物病院に到着。机の隣には柴犬が毛布にくるまっておとなしくこちらを見ていた。奥の部屋には先生の夜食らしきコンビニ弁当やパンがたくさん置いてあった。シャンプーで灯油を洗い流して、注射をしてもらって帰宅。家に着くと、すっかり元気になってきて一安心。

1/21(木) 晴れ

仕事を終えて家に帰ると、玄関に大きな段ボールが一つ。昨年お世話になった猪苗代の方から「雪下キャベツ」が届いていた。メモ用紙に、「最初は生でお召し上がりください」と書いてある。既に母がロールキャベツを作り始めていた。ワインと一緒に美味しく味わった。明日は生で食べてみよう。食べながら真冬の猪苗代湖での出来事を思い出した。次の冬は行けるだろうか。落ち着いたら、冬のキャベツ畑を訪れてみたい。

1/22(金) 晴れ

多賀城駅に行くタイミングがあり、駅前に飾っていただいている絵をみてきた。市から依頼を受けて、2つの花の絵を描いた。成人式を祝うために制作したもので、旗に印刷したものが飾られている。子供の頃の登下校でよく見かけていた、赤い椿と山茶花を描いた。ささやかながら、街の彩りになっていれば嬉しい。ちょうど10年前、市の文化センターで成人式に参加した。同級生の呼びかけで、30歳の節目で会いましょうという話になっていたのだが、それも中止になった。行こうかどうか迷っていたが、これもまた貴重なものだったなと、このご時世になってみて思う。

1/23(土) くもり

今日は昼に仕事を終えて、アトリエへ向かう。大きなパネルが届いたので、大きな刷毛も新調した。下地作りの時間は頭がからっぽになって良い。目止めしたものを乾かして、膠を塗る。久々にパネル運びをすると、筋力が落ちていることに気づく。簡単に持ち上げていたのに、運べなくなっている。いつも作品が出来上がる頃には、薄っすら筋肉がついて、体の使い方も思い出してくる。

1/24(日) くもり

和紙に使う楮の皮はぎの手伝いに向かう。施設の外には飼われている黒山羊が二匹いて、山羊用の顔出しパネルから顔を出していた。楮の皮を包丁で剥がしていく。包丁は小さめが使いやすいようだ。慣れてくると一度にすべての皮がむける瞬間があって気持ち良い。

休憩時間にお弁当を食べながら、ウィルス対策グッズの話で盛り上がる。ダチョウ抗体スプレーというものを振りかけてもらった。今日は初めて出会った方が3名。作業しつつも聞こえてくる、何気ない会話がラジオのようでとても心地よかった。こういう機会はなるべく大切にしようと思う。駐車場に戻るとさっきの山羊がまた降りてきた。挨拶をして帰宅した。

1/25(月) 晴れ

朝、寝ていると、猫が起こしにきた。猫の鈴の音で目覚めるのはものすごくうれしいのだが、まだ4時だった。いま寝ると起きれなそうなので、次の絵のプランでも考えてみる。庭にでてみると、イチジクから新芽がでていた。去年一度は土に地植えしたところ、イチジクの根は庭の土の栄養を吸い尽くすと聞いて、怖くなりすぐにプランターに戻したのだった。何度か植え替えられて元気がなくなっていたが、今日、芽を出していた。あっという間に8時になり、仕事へ向かった。出かけるとき、まだ電車はほとんど使わずにいる。帰り道、国道沿いに大きな新しい道路ができていた。明日から開通だそうだ。変わらずいつもの道を通り、スーパーで卵と刺身を買って帰った。

写真と文 = 浅野友理子(あさの・ゆりこ)

画家。食文化や植物の利用について尋ね歩く。出会った人々とのエピソードを交えながら記録するように描いている。

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