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クリエイターインタビュー後編|岩村和哉(ビデオグラファー)

CREATOR INTERVIEW クリエイターインタビュー

東北で暮らしていきたいから、東北をもっと面白くしたい。

日本や世界を見たいと示しながらも、荒町エリア発信隊として地域に密着した活動も行う岩村和哉さん。取材中にも、商店街の人から声をかけられる場面がありました。小さな商店街を舞台にどのような活動をしているのか伺いました。

ー荒町商店街のプロモーションにも取り組んでいるようですが、具体的にはどのような活動をしているのでしょうか?

荒町商店街には「荒町エリア発信隊」という有志で集まったチームが存在します。活動内容は荒町エリアに関する日常的なSNSでの情報発信や、商店街マップの作成、新型コロナウイルスの影響が大きく出ていた頃は、荒町の飲食店でテイクアウト情報を集めて発信しました。
僕は、2020年2月に発行した荒町商店街マップ「荒町さんぽ 新春号」の編集長として、取材から発行に至るまでの運営に携わりました。
また、今年度は「なぜ今、商店街に動画が必要なのか」という視点から、まちの魅力を発信する動画制作講座を開講しました。動画の企画、撮影、編集技術を身に着けるために集まった20~60代の参加者が有志でチームを作り、現在、荒町商店街のプロモーションムービーの制作に取り組んでいます。「荒町さんぽ」は新春号、初夏号共にKIKOのウェブサイトからダウンロードが可能なので、チェックして足を運んでいただきたいですね。

ー参加者の年齢層が幅広いですね。どのような人が活動に参加しているのでしょうか?

荒町の歴史に興味がある人や、荒町商店街が好きで応援したい人、今回は動画制作を学びたい人も参加してくれました。マップ作成を通してライティング、今回の動画制作で映像を学びながら、町の人たちとしっかりコミュニケーションを取ることでまちづくりを勉強していく場だと考えています。荒町エリア発信隊の活動が、まちづくりの担い手を育成するプラットフォームになればいいなと思っています。

ービデオグラファーという視点以外でもまちを見ているのですね。

まちづくりにも興味がありますね。動画、映像というのは今の僕にとって、その手段であると考えています。

「まち」という形で見ると、仙台も大きすぎると感じる時があります。本当にやりたいことがあっても、周りの流れに乗らざるを得ないというか…小さなコミュニティで経済が回る仕組みを作ることに興味があります。「東北で暮らしていくために、東北をなんとかしたい。東北で暮らしていきたいから、東北をもっとおもしろくしたい。」と思っています。もちろん、映像だけでまちづくりはできません。プロデューサーや実際に動く人、細かいことをサポートしてくれる人、それぞれがスキルを持ち寄って集まるコミュニティで生活ができればおもしろいなと思っています。

この形は「商店街」に近いなと思うんです。パン屋があり、花屋、八百屋、床屋があって経済が回る。商店街に興味があるから、商店街で動画を撮っています。

ー数多くある商店街の中で、荒町商店街を選択した理由を教えてください。

やはりKIKOですね。ゲストハウスに来る人たちに観光の予定を聞くと、仙台市中心部ではなく、松島や山形県の山寺に足を運ぶんです。人によっては宮城に全く興味がない人もいます。かといって、仙台市中心部で観光する場所を問われると、アーケードで食べ歩きやショッピング、仙台城址…天守閣ないけどね…(笑)みたいになってしまいます。これでいいのか?と疑問が上がりました。紹介できるなら、ゲストハウス近くの荒町商店街でも歴史があるから喜んでもらえるはず。でも、紹介するためのマップが存在しない。

最初は利用者として、次はKIKOのスタッフとして地域の人やKIKOのゲストに向けたまち歩きイベントを企画しました。こうして、徐々に商店街の内部に踏み込んでいくと、外から見ているだけでは気が付かなかった荒町商店街の人たちの人柄がわかってきたんです。情熱的で、商店街に愛着心があり、いつも何か面白いことを企んでいる。「文化祭をしているようだ」と商店街の皆さんも話しています。その様子を見ていると、もっと外にこの商店街の魅力を伝えなければと思いました。

ーKIKOでのつながりや活動があったからこそ、動画でのプロモーションに踏み込めたんですね。

そうですね。最初の頃は会話が弾まないこともありました(笑)。撮影だけではなく、まち歩きイベントも基本的には営業時間中に伺うことが多いので「今は忙しい!」なんていう時もありますし、「ちょっとだけならいいよ。」と、なんとか承諾いただく時もあります。コツコツ積み重ねてきたからこそできるものだと考えているので、今の僕が他の商店街に行っても同じような動画は撮影できないと思います。

ー荒町商店街に関する動画で印象深いものはありますか?

今年の「七夕まつり」を記録した動画です。仙台の夏の風物詩でもある「七夕まつり」ですが、新型コロナウイルスの影響中止となりました。荒町商店街での開催も危ぶまれましたが、規模を縮小し例年通り手作りの七夕飾りで商店街が彩られました。その準備から当日の様子に密着することにしたんです。通常であれば、当日に商店街を訪れることで楽しむ風景ですが、動画を通して歴史とともに発信することができました。

https://www.youtube.com/watch?v=GBHMwzZpE5k&t=3s
(動画② 撮影・編集|岩村和哉)

ー最後に、今後の意気込みや目指すところをお聞かせください。

こだわってコンテンツを作るクリエイターでありたいと思いますが、軸にはやはりコミュニケーションが生まれる動画を作りたいという強い気持ちがあります。息を呑むような作り込まれた映像もいいけれど、原点である「思い出ムービー」のように、みんなで鑑賞会をしながらアハハ!と笑うあの時間が好きですね。そういうものを目指したい。なのでもしかしたら、YouTuberになっているかもしれないです(笑)。YouTubeは、動画を通して、ライフスタイルやコンテンツを伝えるプラットフォームになっているので、視聴者同士に「見た?」というコミュニケーションが発生している。リアルとオンラインの違いだけだなと思います。

それから、ゲストハウスに限らず、バンライフなどの「移動しながら暮らせる形」も興味があります。
本来、ゲストハウスはホテルや旅館同じような「宿泊」という機能を持っていますが「個の時間」を楽しむだけではなく、そこに知らない人たちが介入して、出会いやコミュニケーションが発生しています。この光景は、僕にとって日常ですが、まだまだ一般的ではないと思っています。少しずつ認識され始めているからこそ、いち早く身近に感じている僕が発信する立場になりたいと思います。新しいライフスタイルを進化させようとしている領域で活躍したいと思っています。

取材日:令和2年9月17日

取材・構成:鈴木杏
撮影:小泉俊幸

前編 > 後編

岩村和哉(いわむら・かずや)

1992年生まれ。東北を拠点に地域の魅力を動画で発信するビデオグラファー。
「自分が好きなことを仕事にしたい」と思い、仙台のゲストハウスHostel KIKOで「世界と地元を繋ぐ」仕事を2年間する。その後「自分の強みを活かして東北の課題を解決したい」と考え、動画制作のフリーランスとして独立。企業ビデオパッケージや地域のプロモーションムービーの制作をする傍ら、地域を動画で盛り上げるプロジェクトなどもしている。

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