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私と「働」

「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」として11月には勤労感謝の日という祝日が設けられている。仕事も生産も大切なものだ!サア、みんなで感謝し合おうではないか云々…とのことだが、自分自身にも感謝はしておくべきだろうよ、と思う。世界各国と比べると、日本は有給休暇取得率が圧倒的に低い。日本人は働きすぎである。

わずかな休暇の中で自身を労うという意味で、「遊び」が必要になってくる。精神的にも工学的にも「遊び(隙間)」を持たせた方が都合の良い場合もあるのだからね…と、おもむろにゲームソフトを起動すると、たちまち頭の中に凄まじく気持ちの良い刺激が入ってくるもので、あれよあれよと敵をなぎ倒し、いよいよクライマックス。ボスの鎮座する城に足を踏み入れた瞬間に流れてくるBGMは緊張感を煽る。やっぱりこのコンポーザーの作る曲は最高だ!うーん、このゲームのエンディングを見終わったらデスクに向かって絵でも描こうかな…と思わせてくれる。

「つくる仕事」は、仕事と遊びの境界がたいへん曖昧である。
自然と遊びがインプットになるので効率的ながらも、かえって疲れてしまうことも多い。そもそも社会に寄り添うための選択肢としてつくること以外考えられない系の僕らなので、潜在的に遊びや普段の暮らしの中でもクリエイションに活かすための学びを得ようとしてしまう。仕事・暮らし・遊びの境界を曖昧にしないとインプットが追いつかないところが大きいため、単純にクリエイティブ分野が好きというだけでは「つくる仕事」と長く付き合っていくのは難しい。それなりの覚悟がいる。いや、切り替えが下手なだけともいうが、人間はそこまで精巧につくられていない。

そんな僕らだからゲームをしたり、離島へ出かけたりして遊ぶ他にも、たまにはスマホの電源を切ってぐうぐう昼過ぎまで眠ることも必要なのだろう。これもまた、多忙な暮らしの中に遊びを持たせるためである。よく遊び、よく学べ。あと、よく眠れ。意外とおざなりになるものだ。ついでに言えば、たまにはクリームたっぷりのおいしいケーキか、大量の油で揚げた芋でも買って食べろ。ここ最近はテイクアウトグルメやデリバリーフードサービスも充実している。ヘルシーなど常日頃から意識していれば良い。

いずれにせよ普段の働きに還元するのだから。

Illustrator = 亀井桃 

宮城県仙台市出身、イラストレーター/デザイナー

東北学院大学経営学部卒業。

趣味で幼少期から絵を描いていたことが転じて依頼を受けるようになる。
現在フリーランスとして仙台、東京を中心に活動中。
ポップな人物画やシュールでゆるいイラストが得意。ロゴデザイン、グラフィック等の制作も幅広く行っている。絵を描くのと同じくらいにゲームが好き。

Writer = 昆野沙耶(恐山らむね)

1993年2月生まれ、仙台市出身。宮城大学 事業構想学部デザイン情報学科 卒業。

編集者・ライター。ときどきイラストレーター。
特定非営利活動法人 まちづくりスポット仙台 ディレクター。

勤務先の交流スペースに遊びに来る小学生と一緒になって遊ぶのが好き。

E-mail:info@studio-soda.com
note(仕事・作品まとめ):https://note.com/r_osorezan

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