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「令和3年度 仙台市クリエイティブプロジェクト助成事業」審査結果のお知らせ

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仙台市では、クリエイティブ産業の振興・活性化を目的に、クリエイティブ産業と他分野との連携により商品・サービスの高付加価値化を目指す取り組みや、デザインやクリエイターの創造性を活用して地域の課題解決・人材育成等に取り組む企画を募集しており、今年度の採択事業が決定しましたので、お知らせいたします。

採択プロジェクト

  1. ① 一般社団法人くるむ
    「小さく生まれた赤ちゃんに届け!低出生体重児ギフトプロジェクト」

    低出生体重児(2,500 グラム未満で生まれた赤ちゃん)向けのギフト商品を、テキスタイルデザイナーとして仙台で活動する大江ようさん+大江絵美さんご夫妻とともにそれぞれの知見や技術を活かして開発するプロジェクト。虐待リスクの高い低出生体重児と産後うつになりやすい低出生体重児の母親との間での愛着形成を促進し、小さく生まれた赤ちゃんのお母さんやご家族の大きな笑顔につなげることを目指す。


  2. ② 有限会社奥州秋保温泉 蘭亭
    「秋保におけるマイクロツーリズムプログラム開発のための地域内クリエイター育成事業」

    旅館業を営むスタッフを新たな地域人材として捉え、クリエイターとの協働によるマイクロツーリズムのプログラム開発を通して彼らのポテンシャルを引き出し、将来的な「秋保エリアの地域内クリエイター」として育成するプロジェクト。旅館単館での取り組みではなく、秋保エリアの同業・異業種と連携することで、秋保地域全体の魅力発信を目指す。


  3. ③ 小松大知
    「見る工芸から使う工芸へ / 工芸指導所のデザインを暮らしに再現する」

    かつて仙台市に存在した、初の国立デザイン研究機関「商工省工芸指導所」。日本のインダストリアルデザインや工芸×デザインという分野の先駆けであった工芸指導所の存在や活動を、暮らしの中で実際に使える形で伝えていくプロジェクト。

    工芸指導所の存在を起点に、仙台市のものづくりの過去と未来に目を向け、デザイン振興やこれからのものづくりの足掛かりにしていく。


  4. ④ 八木山地区まちづくり研究会
    「みんなの『表現したい』を表現する―八木山イルミネーション・ アート・ プロジェクト

    これまで八木山地区で多数のまちづくり事業を推進してきた「八木山地区まちづくり研究会」が主体となり、八木山地区の多岐にわたる地域団体等や住民グループが独自のイルミネーション・アート表現を行うプロジェクト。

    まちづくりに関心の薄い2030代 の若者を地域活動に巻き込むことで、子どもと高齢者に二極化している地域参画の状況を改善するとともに、アートやクラフトを専門としない人でも、すべての人に対して、自らの思いを表現できる機会を提供することで、世代間交流やアート表現の地域定着、地域全体に対して集客による相乗効果を創出することを目的とする。

    特設サイト:八木山イルミネーション・アート・プロジェクト


  5. ⑤ 未満建築デザインファーム
    「未満建築デザインプロジェクト」

    仙台都心再構築の機運を生かし、建築確認申請が不要なオープンスペースの設えに、建築家の安全性と快適性を両立させるクリエイティビティを発揮させることで、多様性がありイノベーションを創出する仙台の都市空間形成に寄与するプロジェクト。「公開空地」の管理者と行政職員を集めた勉強会・ヒアリングを行い、“公開”の在り方を問う実証実験を通じて、モデル展開を図るための見本帖を発行し、様々な業種が参画・表現できる受け皿としての広場文化をつくる。


◎仙台市クリエイティブプロジェクト 審査講評

今年も多くの応募を得て、仙台市クリエイティブプロジェクト助成事業の採択プロジェクトを選定することができました。採択された皆様、おめでとうございます。補助金は十分ではないかもしれませんが、伴走チームや協働者と連携しながら、ミッションを踏まえてプロジェクトの具体化を進めていただければと思います。残念ながら採択から漏れた皆様も、事業計画を練り上げて、次回以降に再びエントリーしていただくことを期待しております。
今回採択されたプロジェクトのそれぞれがターゲットとする事象は、一見すると、ごくごく限定的な範囲の、顔の見えるコミュニティに属するものばかりです。なぜこうした個別の活動を公的資金を使って助成しなくてはならないのかという疑念もあるでしょう。勝手にやればいいではないか、と。
この仙台市クリエイティブプロジェクトでは、募集要項にあるように「仙台の資源を活用し、クリエイティブ産業の集積促進、他産業との連携等において効果」があることを求めています。つまり、このプロジェクトを梃子として、より大きな波及効果が仙台市のクリエイティブ産業に引き起こされることを期待している。それが助成の根拠です。だから審査では、対象が抱える個別具体的な問題の、その先に見え隠れする、より普遍的で同時代的な問題に照準しようとしているかどうかが問われます。応募者は自らのプロジェクトの価値をそのように説明する必要があります。「風が吹いたら桶屋が儲かる」式の胡散臭いものに聞こえるかもしれない。しかし、仲間内に利益を誘導し近視眼的な利益を高いコスパでゲットしようとするビジネスに汲々とする人々の傍で、想像力をフルに働かせながら、遠い目で、未来へのパースペクティブを見据えて行動すること、そうせずにはいられないことが、クリエイティブであるということなのだろうと思います。
採択された五つのプロジェクトにはいずれも、想像力に駆動された創造力の萌芽がありました。まずは短期的な成果を、そして、その成果の先に現れるものについて議論できることを、楽しみにしています。

審査委員長 本江正茂



上記5件の採択プロジェクトは、それぞれ50万円の助成を受け今年度の事業を進められます。進捗は随時本サイトで紹介のほか、令和4年2月には成果発表会を予定しておりますので、お楽しみに!

審査委員)

  • 本江正茂(東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻准教授、同フィールドデザインセンター長)*審査委員長
  • 若林 恵(黒鳥社/コンテンツディレクター)
  • 日下和彦(仙台市経済局地域経済再生担当課長)

運営)

  • So-So-LAB.(運営:協同組合仙台卸商センター)

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